ファクタリングにおけるメリットとデメリット

最終更新日 2024年11月5日 by andiwa

1.ファクタリング利用時のメリットやデメリット

企業間で商品やサービスを売買する際には、現金取引ではなく掛取引で行われるのが一般的です。

そういったことから、商品やサービスを販売した側の企業は帳面上の利益は得ていても、売掛金の支払期日が来て実際に支払いが行われるまでは現金化することができません。

ですが、この売掛金を現金化できるまでに生じるタイムラグの間にも、企業は経営を続けていくうえで多くの資金が必要になります。

そのため、このタイムラグの間に資金不足に陥ってしまうことも十分に考えられるのです。

企業が資金不足で困った際の資金調達法としては、銀行やノンバンクから融資を受けることが考えられます。

しかし、融資を受ける場合には厳しい審査が必要となるため、即座に資金を手にすることはできません。

そして、こういった急な資金調達が必要となった場合に大きく役立つのがファクタリングなのです。

ファクタリングは自社が保有している売掛債権を売却して資金化を図る手法のことであり、通常の支払期日前の段階で素早く現金を手にすることができるという大きなメリットがあります。

そのため、突発的な資金不足に陥ってしまった際にはかなり効果的な資金調達法となっているのです。

また、銀行などから受ける融資のように借入に該当しないというのも、この資金調達法を利用する際の大きなメリットと言えます。

2.借入に該当しない資金調達法

銀行などから融資を受ける際には、借入を行っている企業として信用情報機関に記録が残ってしまうことになります。

すると、融資を受けている金融機関の数や借入額の多さはもちろんのこと、返済状況や完済状況などまで様々な情報が各金融機関で共有されることとなることから、将来的に新たな融資が必要となった際に不利益を被る可能性が高くなります。

ですが、借入に該当しないこの資金調達法を利用すれば、自社の信用情報についての心配をすることなく資金調達を図ることができるのです。

また、銀行などから融資を受ける場合には連帯保証人や担保を用意する必要がありますが、ファクタリングは売掛債権を売却することで資金化を図ることとなるため、融資の際のように厳しい審査基準がないことから連帯保証人や担保も必要ありません。

ですから、経営上で多少の問題があるような企業であっても、そのほとんどが問題なく利用できることから、近年では多くの企業が注目する資金調達法となってきているのです。

3.手数料を払う必要があり利益が目減りする

しかし、このように利用する企業にとって複数の大きなメリットがある資金調達法ではありますが、当然のことながらデメリットも存在します。

支払期日が来て売掛先の企業から実際に支払いが行われれば、売上金の満額を手にすることができますが、ファクタリングを利用する場合には売掛債権の売却先の企業に手数料を支払う必要があります。

それに加えて、掛け目も設定されていることから、本来であれば手にすることができた利益を目減りさせることになってしまうのです。

また、売掛債権を売却しなければ資金を工面できない経営状態であるということを取引先に知られてしまうと、企業の信頼を失って今後の取引に大きく影響を及ぼす可能性があります。

そのため、この資金調達法を行う場合には、できるだけ取引先に知られたくないと考えるのが当然です。

自社と売掛債権の売却先の企業の2社間で行う取引の仕方であれば、こういった問題も心配する必要はありません。

ただ、売掛先の企業も含めた3社間で行う取引の場合には、売掛債権を売却することを売掛先の企業に伝えて承諾を得る必要があります。

ですから、取引先からの信頼を損ねたくないのであれば、こういった資金不足に陥っている状況を知られないためにも、3社間ではなく2社間での取引を行っている売掛債権の売却先の企業を選ばなければならないのです。

返済義務を肩代わりする必要はないがデメリットもあることを注意しておく

あと、ファクタリングを利用する際には、例え売掛先の企業が倒産などにより支払い不可能になった場合でも、売掛債権を売却して資金を得た企業が返済義務を肩代わりする必要がありません。

しかし、この場合でも償還請求権が設定された契約を結んでいる場合には、返済義務を肩代わりしなければならなくなってしまうので、この点も契約時に注意することが必要です。

また、この資金調達法を利用するメリットとして「借入に該当しない」ということを挙げましたが、このことが逆に大きなデメリットも生んでいるのです。

なぜなら、売掛債権を売却することで素早く現金化を図る資金調達法であることから、貸金業には該当しないため業界に新規参入する企業は申請や登録を行う必要がありません。

さらには貸金業法のような明確な法律が制定されていないため、手数料の規制もされていないことから多額の手数料を請求するような悪徳業者も多いのが実情なのです。

特に売掛債権を売却して資金を得たいと考える企業は資金繰りが悪化している場合が多いため、弱みに付け込んで違法である高金利な融資を持ちかけてくるような悪徳業者も存在します。

ですから、ファクタリングを利用する際にはこのようなデメリットがあることも十分に頭に入れておかなければならないのです。